目次
Ⅱ 戦後日本のマルクス主義経済学
スターリン論文への屈服
火焔ビン綱領の基礎づけ
社会主義論の錯乱
マルクス経済学の歪曲の完成
宇野経済学の特質とその問題点
Ⅲ 商品論のスターリン主義的解釈
商品論の単純商品生産論的歪曲
A 私的所有一般の表現としての商品なるもの
B 労働の二重性の超歴史化
マルクス弁証法の俗流化
スターリン主義経済学の紋章
Ⅳ エンゲルスによるマルクス経済学の俗流化
1 唯物史観と経済学にかんする問題
2 経済学と社会経済史にかんする問題
3 商品経済史観をめぐる問題
4 資本の直接的生産過程の構造把握をめぐる問題
5 エンゲルス命題とその解釈の破綻
A エンゲルス命題の展開
B いわゆる恐慌論の盲点
C 構造改革論の没理論性
Ⅴ 資本制生産の本質的矛盾と『資本論』
エンゲルスによるマルクス解釈
労働力商品化の「矛盾」
総括と展望
図解
註
対馬社会主義論の意義と盲点
宇野経済学(派)の現時点における問題点
梯経済哲学の問題点
編集後記(全国マルクス主義研究会・中央事務局)
内容説明
われわれにとっては『資本論』発刊100周年“記念”が問題なのではない。『資本論』以後100年の現時点において、『資本論』に対象化されているところのマルクスのガイストを現在的にとらえかえすことばかりでなく、ほかならぬ『資本論』が研究対象としたところのものが形態変化をとげて今日でも依然として現存在しているというこの現実をありのままに認識するところから、われわれは出発しなければならない、ということである。……われわれがおかれているまさにかかる歴史的現実にたいする憤怒から出発しなければならない。(本書Ⅰより)
「このパンフレットは、八月七日第三回全国マルクス主義研究会における黒田寛一の講演を編集・整理したものであるが、〈資本論百周年〉をめぐるマルクス主義理論戦線の現状にたいするわれわれなりの一つの回答であり批判でもある。」(編集後記より)