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黒田寛一 読書ノート 全15巻 刊行案内PDF版

刊行案内PDF(927MB)

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2009年9月に第2巻『唯物弁証法・論理学』を配本してから足かけ6年。このたびの第5巻『技術論と史的唯物論ノート』をもって全7巻を完結いたしました。これもご愛読くださった読者のみなさまのおかげです。ありがとうございました。

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好評いただきました「こぶし文庫―戦後日本思想の原点」シリーズ第三期を刊行開始いたします!

辻哲夫著『物理学史への道』を、宇宙物理学者の池内了氏の解説で刊行いたしました。

あわせて、小冊子『場』No.40も発行しました。

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『場』UTPADA バックナンバーの紹介ページを作成中です。

近日アップ予定です。

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黒田寛一初期論稿集

刊行にあたって

◆各巻の内容

◆推薦のことば

◆著者紹介

 

ご予約を承ります。

 

「刊行案内パンフレット」をご希望の方は電話・ファクス・メールでどうぞ。


黒田寛一初期論稿集写真

 

◆体裁 四六判上製カバー装/平均350頁
/口絵付/平均定価3,570円 /呈 内容見本

 

◆刊行にあたって

黒田寛一著作編集委員会

マルクス思想を《いま・ここ》に甦らせんと、全生涯をそのための理論追求と実践に捧げた盲目の唯物論者・黒田寛一。没後に数多く遺された論稿のうち一九五六年を前後する時期までの未定稿やノートを中心とし、黒田じしんによる生前の構想にふまえ、私たちは『黒田寛一初期論稿集』全七巻を編み、ここにお送り致します。危機を深める二十一世紀現代世界の根源を照らしだし、変革の道筋をみいだすうえで不可欠の思想的・理論的な武器の宝庫として。
全七巻に集大成された諸論稿につらぬかれている黒田の追求の核心は、スターリン主義的に歪められたマルクス主義の本来の革命性、その根底を貫くプロレタ リア・ヒューマニズムの再興であり、〈実践の場所の哲学〉の確立です。
若き黒田は、独学のうちにマルクスと出合い、これをみずからのよって立つべき思想とうけとめ、自分自身の思想を形成するために苦闘しました。第三巻、第四巻、第五巻は、その地道な足跡を印したものです。
  「正統派」とされる唯物論者たちが〝神〟とあがめるスターリンや毛沢東こそがマルクス主義の歪曲の張本人であり、その「唯物論」は人間不在のタダモノ論でしかないことを〈主体性〉の探求を拠点として自覚した黒田は、真正面からこの「歴史の巨人」たちの学説と格闘的に対決し、同時にさまざまな分野で新たな理論の創造をかちとってゆきます。第一巻、第二巻、第六巻にそれらは結実しています。
現代史の大転換を画した一九五六年のスターリン批判とハンガリー労働者蜂起。ソ連軍の戦車に立ちむかう人民の血の叫びを眼前にして、黒田はみずからを 「哲学的には反スターリンであったとしても、政治的にはスターリン主義の枠内にあった」と断じ、スターリン主義打倒、そのための真実の労働者党創造の闘いに踏みだします。この息づまる実存的決断の瞬間とこれにいたる日々は、第七巻に克明に刻みこまれています。
病魔と闘い、死と絶望の淵から不屈にたちあがり前進する青年・黒田。その渾身の労作群とぜひ対決し、危機の時代を生きぬく糧とされんことを!

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◆各巻の目次

 

第一巻 哲学と人間の探求

    ――疎外された唯物論者の叫び

( 53年10月~55年1月)

A 哲学の凋落
B 科学と哲学
C 唯物論と人間
D 統一戦線のために
E 唯物論者の倫理
附 梅本克己氏への手紙

第五巻 技術論と史的唯物論」ノート

( 50年4月~54年12月)

 

史的唯物論の基礎としての技術論  ’50年~’51年
技術―「解釈学」的覚え書き  ’50年
「技術論と史的唯物論」の問題
―技術論研究前進のための条件  ’54年

 

第二巻 唯物弁証法・論理学

( 52年11月~61年2月)

現段階における論理学研究の盲点 ’61年
武市弁証法の批判的改作のために
―『ヘーゲルとマルクス』第一章補論一への追記
マルクス主義における《哲学》とは何か?  ’54年
実存主義とマルクス主義  ’54年
実存主義批判の諸問題―Lukácsのメモ
唯物弁証法と形式論理学
―ソ同盟における哲学論争によせて  ’52年
唯物弁証法の俗流化に抗して  ’52年
マルクシズム認識論の成果と課題
―毛沢東『実践論・矛盾論』をめぐって  ’53年
認識論の課題  ’54年

 

第六巻 人間と文学

    ――芸術・表現論の探求

( 54年2月~60年12月)

 

人間と文学―哲学と文学との結び目  ’54年~’55年
「マルクス主義芸術論」ノート  ’56年
前進か破綻か―文学上部構造論争によせて
吉本芸術論の陥穽  ’60年

 

 

 

第七巻 断絶と飛躍

    ――スターリン批判とハンガリー労働者蜂起

( 56年1月~57年4月)

 

雪崩の寸前のごとき静寂と沈黙  ’56年
「ミコヤン報告」について  ’56年
経済学と哲学との結び目  ’56年
対馬忠行『クレムリンの神話』に学ぶ  ’56年
何をなすべきか?

―トロツキストK・Tとの出合い  ’56年
二〇世紀の画期

―『スターリン主義批判の基礎』あとがき・追記  ’56年
世界共産主義運動の転回点  ’56年
わが思想の転回点
―一九五六年の仕事をかえりみて  ’56年
労働者大学の開講にあたって  ’57年
サルトル「スターリンの亡霊」を読んで  ’57年
梅本克己氏との対話  ’57年

 

他、未発表の論稿・ノート多数。

 

第三巻 イデオロギー論」ノート

( 48年12月~58年2月)

 

イデオロギー  ’48年~’49年
ヘーゲル国家論の問題  ’53年
ヘーゲル法哲学にたいするマルクスの『批判』  ’54年
イデオロギー論の盲点  ’55年
西田イデオロギー論への批判的評註  ’58年

第四巻 「自然弁証法」ノート

( 50年1月~55年7月)

 

自然弁証法―「解釈学」的覚え書き  ’50年
舩山信一『ヘーゲルにおける歴史と論理』について  ’50年
「自然弁証法」ノートの周辺  ’50年
メモ・自然弁証法の現代的課題  ’50年
科学方法論序説  ’53年
法則の物神化とその末路  ’55年

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◆推薦のことば

 

刻み込まれた思索のエッセンス

柴田高好(東京経済大学名誉教授

『黒田寛一初期論稿集』全七巻の刊行を賀し、ここに強く推奨いたします。

「初期云々」と聴くと私などは直ぐ 初期マルクスを連想してしまいます。「ドイツ・イデオロギー」以前専ら政治学批判に集中していた頃の「ヘーゲル国法論批判」や「ユダヤ人問題」(一八四三年)そして「近代国家論プラン」(一八四四年)等です。今回の黒田寛一(黒寛)の初期論稿は、人間論、論理学、イデオロギー論、自然弁証法、史的唯物論、 文学・芸術論、最後にスターリン主義批判と多岐に亘る多彩な未発表論文で、いずれもマルクスと同じく若き黒寛の思索のエッセンスが刻み込まれています。当時静岡にいた私が彼と文通したのは一九五八年頃(『探究』覆刻版第二分冊81頁)で、特に彼の〈下向―上向〉の弁証法(第三分冊の7)に深く学びました。 今若し存命なら国家論で国家の止揚に関して是非黒寛の意見をきかせてもらいたいものをと、衷心残念でなりません。

 

黒田寛一を思う

鶴見俊輔哲学者

黒田寛一氏は、スターリン思想にのみこまれないマルクス主義の系譜をつくろうとしていたのではないか。はじめての接触から六十年たった今、そう思います。

六〇年の安保闘争のころ、国会のまわりをまわった時代の、党派とかかわりなく、ひろい意味での仲間として、この間に、敵意を示されたことがありません。

このことにたちもどって、そこから考えはじめてよいものが、あると思います。

二〇〇九年五月二十一日

 

(とこしえ)の青春論集

山田宗睦哲学者

マルクスもそうだし、ヘーゲルにも、初期論集というのがある。本人たちが大成して、資本論とか大論理学といった代表作ができても、初期論集には代表作の萌芽、つまりは発端が見えるだけではなく、代表作には延びていかない、別の可能性を示すアイデアが鏤(ちりば)められている。それは、たぶん、永遠の青春とよばれるものとかかわっている。

こんど黒田寛一の初期論稿集が出版されるという。彼が谷村和平の名で、民主主義科学者協会(民科)哲学部会に初めて出てきたとき、私は部会の幹事役をしていたから、いろいろのことを論じ あった。谷村の一途な、ときに激しい主張の中に、同世代の若者が負う、若者だけが感じ取る、次の時代への予見や可能性を感じることがあった。

若いマルクス、若いヘーゲルについての著作は多い。黒田寛一についても、若い黒田寛一が感取した多様な可能性を見出すのに、この初期論稿集は、大いに役立つだろう。

 

「統一体質」新生の礎(いしずえ)として

小宮山量平『ヘーゲルとマルクス』編集者

戦後の一時期、新しい群小の思想展開の 「成果」のみを、もっぱら評価し撰択し同調しようとする者たちと、さまざまな思想発展の一歩一歩の「過程」そのものに対しつぶさに注目し、共感し、同調しようとする者たちとが、烈しく対立し、遂に分裂して、闘わねばならないという時代が、確かにありました。

その時期に、ともすれば性急に多数派形成にいそしむグループ的な情念の主流派に対し、むしろ沈思黙考に沈潜しがちな少数派形成の主体的思索とが、心ならずも袂(たもと)を訣(わか)つような時期がありました。この時期には若い黒田寛一(ひろかず)が、先ずは「ヨク考エテ」とマルクス主義本来の思想形成の本すじに血涙にみちた情念を注いだものです。そして今、あれから半世紀余も経て、世界も、日本も、あのみずみずしい情念の疼(うず)きを、それぞれに祖国の戦闘的な熱(あつ)い「統一体質」新生のエネルギーとして、かえりみるべき時を明るく迎えつつあると思うのです。

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◆著者紹介

黒田寛一(くろだ かんいち 1927年~2006年)
埼玉県秩父町に生まれる。東京府北多摩郡府中尋常小学校卒業。医師をめざして東京高等学校理科乙類に入学するが、結核にかかり1949年中退。療養しながら独学を続ける。1952年に処女作『ヘーゲルとマルクス』を理論社から出版。翌53年から「民科」(民主主義科学者協会)に出席。「正統派」唯物論者たちによるマルクス主義の客観主義的歪曲と対決し、論戦を展開。1956年のハンガリー労働者の蜂起にたいするソ連軍の弾圧を弾劾し、反スターリン主義運動を創造。1996年まで日本革命的共産主義者同盟全国委員会議長。

主要著書

『社会の弁証法』、『現代唯物論の探究』、『マルクス主義の形成の論理』、『現代における平和と革命』、『組織論序説』、『宇野経済学方法論批判』、『スターリン批判以後』全二巻、『日本の反スターリン主義運動』全二巻、『ゴルバチョフ架空会談』、『賃金論入門』、『場所の哲学のために』全二巻、『黒田寛一初期セレクション』全三巻、『実践と場所』全三巻(以上、こぶし書房)、『マルクス ルネッサンス』、『ブッシュの戦争』、『組織現実論の開拓』全五巻 ―刊行中(以上、あかね図書)、ほか多数。

 

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